prêt-à-porter

私が関わった人間は全て私の作品である

2014-01-01から1年間の記事一覧

超短編『黄色よ』

私はあなたに話しかけた。「この黄色いネクタイと青いネクタイだとどちらが今着ているスーツに合うかな?」あなたはうつむきながらペンを走らせていた、何の返事もなく。私はもう一度あなたに話しかけた。「今少し話してもいいかな?」あなたはようやく返事…

何番がお好き? vol.35

全ての病気の元が何かと言えば、恐怖心である。 雨の日の車に乗る時の傘の閉め方。 造形の美しさではなく、その構造の美しさに酔いしれたい。要するに結果ではなく途中式を重要視するということである。 全ては動いた結果わかることなのよ。不毛だと机上の空…

「食事は、何を食べるか」

「食事は、何を食べるかより誰と食べるかが大事」という戯言だけを私は信じない。それは必ず「食事は、何を食べるかが大事」という前提を踏まえていなければならない。「食事は、何を食べるかが大事」という前提を誰よりも信じている人間がやっと「食事は、…

何番がお好き? vol.34

何も私は目の前の人間になれと言っているわけではない。目の前の人間の言動を相手目線で理解しなくてはならないと言っている。勿論両者が自分の言動に対して責任と覚悟を持つ大人であることは前提である。理解するだけでいい。それだけで救われる。あなたは…

「親友に対する評価」

あなたを選ばないのは幸せになれるという確証のないこの世界で必ず幸せになれるという確信を持てるからだ。私はその幸せを勝ち取る為に色々とこねくりまわして考えてきたし、そんなにあっさりとそれが手に入ったって大きな何かから逃げてるみたいで嫌じゃな…

何番がお好き? vol.33

偶然性を認めないという考え方、私は大好です。表現者が作品に対して先ず持ってもらいたい意識の一つですね。約束は破られる為だけに存在するかの様だ。私はあなたの愛する私を愛し、あなたは私の愛するあなたを愛す。それが互いを愛しているということであ…

「ボルゾイ」

⚫︎ボルゾイロシア語で俊敏の意。この犬種は本来、優れた視覚で獲物を捉えて追いかけるという猟に使われるが、それには主人から遠く離れて犬自身の判断で行動する必要がある。そのため(これはサイトハウンド一般について言えることであるが)人間の指示をあ…

何番がお好き? vol.32

覚悟です、勝負です、根性です。真っ向勝負でマンモスに勝つまで私は死ねない。「イルカの歯はおよそ80本あるが食べるときは丸飲みである」男だろうが女だろうが、私に物理的に触ることを簡単には許しません。中性ではなく、男性であり女性であること。役を…

「プリンセス不在」

王子様が何故プリンセスと出会えるかわかる?それは王子様がプリンセスを血眼になって探すからでも、プリンセスが待ち合わせの場所で何時間も待つからでもない。それはプリンセスなんてものは常に不在だからだ。王子様はその対象を知らない、プリンセスもま…

「コピー」

私たちは往々にしてコピーをする時コピー機に原本を忘れてきてしまう。でも別に私はそれを否定しない。私たちは【コピーをする時コピー機に原本を忘れてきてしまう】ことを知っている。だから私たちはコピー機に原本を忘れてきてしまうことを避けることがで…

何番がお好き? vol.31

どんなに演者の演技が下手でも流れと台詞だけ間違わなければ私は平気でドラマでだって泣くわよ。ズルいよ、人のことは平気で傷つけるのに自分が辛い時には泣いてすがってくるだなんて。私はね、そういう筋違いなことを死んでもしない。そういう弱さを盾にし…

何番がお好き? vol.30

トカレフ TT33私たちは死の上にやっと生きていて、それならば生きていることに誇りを持たねばならないと思うのよ。要するにね、生きているんだってことを全肯定するのよ。メリーゴーランドではない、メリーゴーラウンドだ。母との対峙はいつだってこの世…

「あなたが怒る時」

人に対してね、怒るってことはね、本当はその人がどういうつもりなのか完璧に理解できなくてはできないはずなのよ。自分は自分自身のことを理解できる。対象は対象自身のことを理解できる。では、自分は対象を完全完璧に理解しているのか。対象は自分を完全…

「私の会話」

入院している友人の見舞いに行き「大丈夫?」と私は声をかける。「大丈夫?」という言葉が何も生まないことを、または病人にとっては聞きたくもない、聞き尽くされた言葉であることを私は想像している。それを知りながらそう声をかける。ここまでの思考の経…

「片割れ」

古代の神話によれば、男と女はもともとひとりの人間として作られたのだという。旧約聖書の創世記には、最初の人間はアダムただひとりだったと書かれている。だが神はアダムからあばら骨を取ってイブを作る。人類最初の男と女は、かつてひとりの人間として存…

「酒鬼薔薇聖斗の声明文」

神戸新聞社へこの前ボクが出ている時にたまたま、テレビがついており、それを見ていたところ、報道人がボクの名を読み違えて「鬼薔薇」(オニバラ)と言っているのを聞いた人の名を読み違えるなどこの上なく愚弄な行為である。表の紙に書いた文字は、暗号で…

「父の男気」

40℃近い高熱で緊急検査入院することになった父が病室に運ばれてすぐ私と母に聞いた。「今日は何日だ?」11月2日、と私が即答した。今にも死にそうな父は母に耳打ちをする様に言った。「花屋に花束を頼んであるから明日取りに行ってくれ」明日は父と母の結婚…

「相手を変える」

相手を変えようとする時変わるのはあなたよ。相手の価値観を変えることは容易でない。しかし相手の考え方を根底から変えてしまえばその価値観なんて簡単にひっくり返る。相手を変えたいのであればそういう変え方をしなくちゃならない。しかしそうするには自…

何番がお好き? vol.29

復讐心によってそのフルートの音色の美しさがわからないような人間には絶対になりたくない。同時に美しいフルートの音色によってその復讐心が少しでも減少されたり、または助長されることも絶対に許さない。私は他の要素を完全に排除したその復讐心のみで弾…

何番がお好き? vol.28

女の子といる時に男役をやる女と男の子といる時に女役をやる男が出会い、女が女役を、男が男役をやる時二人は初めて男と女になる。あなたがあなたを否定する必要は全くない。正論を言うだけだと厳しく聞こえてしまうけど仕方が無いのよ。私はそうやってでし…

何番がお好き? vol.27

あなたが僕にされることならどんな理不尽なことにも意味を見出してくれそうだから僕はあなたのことが大切だと思えるのかな。街にゴミ箱すらない綺麗な世界ではなく街にゴミ箱のある綺麗な世界で私は生きたい。僕にとってはトンネルの入口であるが対向者にと…

何番がお好き? vol.26

私がこの世界に期待しているたった一つのことは圧倒的に絶対的に、また究極的に残酷な程絶望的に悲しい思いをさせてくれるというものだ。それは私にとって唯一と言っていいだろう、生きるに値する世界だと感じさせてくれるものだ。元来、物理的な力のない者…

「アイスクリームの心」

私はね、例えば、夏休みにおばあちゃんの家に行き、おばあちゃんから300円をアイスクリームを買っておいでとまんべんの笑みで渡され、家から五分程の場所にあるアイスクリーム屋さんにアイスクリームを一人で買いに行き、チョコクッキーなんかを選んで、店員…

「言語化」

自分の怖いもの、知らないものと真っ向勝負してぶっ潰すって作業です。真っ向勝負です。発言すること、書くこと、それは言語化できなかったものを公に晒し殺すことです。--~--~~--~-~~--~--~--~~--~-~~--~--~--~~--~-何でもご依頼受けます。http://poguri.ji…

「殺人犯」の作り方

私はね、「殺人犯」というのは今、子を持つ親が作っていると考えている。テレビの前でお前ら馬鹿な親はこう言うんだよ、「あらま怖いわ、また殺人事件、物騒な世の中だわ」と。それこそがこの世を物騒な世にしているとは思わないのかしら。「殺人犯」という…

何番がお好き? vol.25

旋律と歌詞ならどっち? という永遠の問いに私は敢えて歌詞と答える。宇多田ヒカルの言う様に旋律ができた時点でそれにぴったりの歌詞もできているというものを私は信じている。凛として時雨/illusion is mineを聞くとかなり序盤の「奇跡的」のとこでイって…

何番がお好き? vol.24

君の気持ちはわかる。だけどその訳のわからない人の気持ちを想像してやるのが俺の仕事だし、更に言えばあなたとその訳のわからない人のどっちもを完璧にわかった状態で白黒つけるのが俺の仕事なんだよ。あなたが殺される可能性のある社会、それこそがあなた…

血の繋がり

私は二十歳を越えて親と血の繋がりのないことを聞かされた。だからと言って特段疎外感を感じることはなかった。むしろ親に対して感謝でいっぱいだった。本当のことを知ることが怖くないのは其れが事実であれば私はどんなことでも受け入れられると思えるから…

侵食

明石家さんまの「そうか、お前はミドルネームないのか」という確認に間髪入れず「僕も震えました」とさらりと答えたデニス植野。私の一番好きな種類の受け答えだ。引きながら攻めるのって何においても素敵よね。 追手や敵からジグザグに走り逃げながら手榴弾…

「リュックと兄貴」

リュック、リュックサック、ナップサック、バックパック、呼び名は何でも構わない。電車で座席に座る前には必ずそれをどちらか片方の肩から外し身体の前へ持ってくる。それは成人ではほとんど万人が行う所作だ。私はね、例え血の繋がり、血縁関係があったと…