prêt-à-porter

私が関わった人間は全て私の作品である

「電話機を蹴ったのを見た」

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心のどこかで気になり、好きな人がいて、その人とついに対面した。(お互いにタイプではなかったはずだ。)初めて会ったが、私のある行動を指摘されいきなり嫌われたんだ。私はそれを取り返そうとする。しかし挽回のチャンスをくれるくらいには相手は私に興味があるようだった。二人になって、肩を抱き寄せた。嫌いじゃないんだ。超恋だった。不利な始まりが逆に燃えた。いいところも悪いところも含め思った通りの人だった。

仮にドラマだとしたら、主題曲は平井堅/楽園♪

どうしようもなくなった私は自分を責めることにも疲れ誰かに抱きしめられたいと思った。その日夢を見る。私はいつの間にかそこで出会った長い髪の女の肩を抱き寄せていた。確かに私がその女を慰めていた。しかしその実、私がその女に慰められていた。「あなたが電話機を蹴ったのを見た。嫌い。終了」。私は今まで何度も夢の中でその女に出会っていた。でも今回は以前と違う。初めて肌に触れることになった。その女の「嫌い。終了」と書かれたメモ用紙を見るなり、私は言い訳をした。「そういうこともわかってやっている」私が説明し尽くすと、その女は身をゆっくりと私に預けた。AはBになった。衝動みたいなもので何かを決めてしまうことをよしとしない私がいる。ただ、同時に衝動以外で何かを決めることなんてできないとも思っている。本来の私、なんて話をしてしまうと、もう何もかもがご破算だ。本来の私がこの世に立てるチャンスはそうない。そんなものはただ家のなかでだろうと思う。助けて。夢を見た。

2017.5.14.秋