prêt-à-porter

私が関わった人間は全て私の作品である

「リュックと兄貴」

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リュック、リュックサック、ナップサック、バックパック、呼び名は何でも構わない。電車で座席に座る前には必ずそれをどちらか片方の肩から外し身体の前へ持ってくる。それは成人ではほとんど万人が行う所作だ。


私はね、例え血の繋がり、血縁関係があったとしても、私が兄貴と面と向かって呼ばない人間が私の前で兄貴面してるのはどうしても許せないんだよ。兄貴かどうかは私が決める。あなたが私のことをよくわかり、今欲しいものを丁度あげられただろうと、そういう面持ちを見る度に吐き気がするんだ。私が欲しいものなんかわかっちゃいない。私が欲しいものは、あなたが予め準備出来る様なものではない。私が欲しいものは、あなたが準備に準備を重ねて来たけど土壇場で何一つあなたの準備してきたものが通じなくなった後にする私へのあなたの本当の反応なんだよ。私はそういうのが見たいんだ。それは微笑みかもしれないし、または急に泣き出すことなのかもしれない。でも私はそういうものが欲しいんだよ。あなたには一生わかるはずなんてないと思う。

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