prêt-à-porter

私が関わった人間は全て私の作品である

超短編集4

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  1. 私は輝くターコイズブルーの石を大切にネックレスにして身につけていた。不思議なことに多くは何故こんなドス黒い茶色い石を身につけるのかと不思議がっていた。ある時電車で小さな女の子がこれを指差し言った。「ママー、ターコイズブルー色だよー」私はそのターコイズブルーを女の子にプレゼントした。


  2. 田舎の一両編成の列車に乗った。車窓から見える見事なまでの田園風景。そこに真っ青なワンピースの女の子が飛び込んできた。走り回る青。太陽の光を浴びてキラキラと輝く。ふと車内に視線を戻すと真っ青なワンピースの女の子が私の目の前に立ち言った「お兄さん、何でそんなに私のことを見ているの?」


  3. 赦されたい私と罰したい私とが押問答をする間に三人目の私が鏡を前にした。鏡の中の私が自分とかけ離れすぎていることに憤りその鏡を割りその破片で顔を朱に染めた。赦されたい私は新たな生命を受けた様に感動し罰したい私も肉体的に傷つけられることでそれを叶えた。共に痛みを伴うものであった。


  4. 鏡を前にした。やあ、そう鏡の中の私は思った。随分と太ったな、そう鏡の中の私は思った。鏡の前にいる私が同じ様なことを思っている気がして胸糞が悪くなり鏡の中の私は頭突きをして鏡を割った。鏡の中の私はキュビズム絵画の様に全身が八角形になった。鏡の中の私は何もかもが満足いかなかった。

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