prêt-à-porter

私が関わった人間は全て私の作品である

「世界は無機質なものを欲した」

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世界は無機質なものを欲した。
それが、いまや人間としての“進歩”なのだ。
動物と一線を画すということだ。
 
ラム肉やカモ肉の肉臭さは、現在の世では〈悪〉とされるだろう。それは結局、今の世からすると「美しくない」のだ。
 
飛行機は離陸の直前に物凄いスピードを出す、空を飛ぶために。
私は飛行機が揺れる度に手に汗を握る。
機長のアナウンスによれば、地上8200メートルほどを飛んでいるらしい。
特に、離陸後の並行飛行に至るまでの間の、直下型の揺れを感じる場合に、私の恐怖心はMAXになる。地から離れて生きることを嫌う。何故なら、私の力がまったくと言っていいほど及ばないからだ。
私は、私と物理的に繋がる地面を、そして地面と繋がる私を全面的に肯定して生きている。
水平飛行してからも、機体は何度も上下左右に揺れた。
 
たとえば、「整合性」とはこういうものだ。
肉臭いラム肉やカモ肉が好きだとしよう。
となると、この飛行機に乗ることもまた好きだ(ろう)ということだ。
私が飛行機に感じる違和感は、〈無機質〉でないというところだ。リアルで、生である点だ。
確かに、考え方によっては、フォルムといい、巨大な鉄の塊が空を飛ぶという点といい、何となく〈無機質〉のようなものも感じられる。
ただ、本当に飛行機が〈無機物〉なものであるのなら、乗りさえすれば、一切の揺れも、また私の感じる「違和感」というものも一切ないはずなのだ。
矢張り、〈無機質な〉世界に慣れ親しんだ私には、飛行機に乗ることが耐えられない。
 
 
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@ 秋人間