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prêt-à-porter

私が関わった人間は全て私の作品である

音が聴こえる。前を見て、前を見て。お母さんの注意する声が聞こえる。その幻聴を私たちは一体いつまで聞くことになるのだろうか。お母さんの発言は全てが生に対して正しい。あくまで生に対してだ。

雲、雲、雲。
雲の雲たる所以は何処にあるのか。その青々とした空との境目であるいわゆる雲の輪郭部分であるか、それとも雲の雲々した幾重にも重なる部分にあたるだろうか。雲はゆっくりと変化を遂げながら私たちの前から姿を消す、ことになるだろう。私たちはその雲の行方を正確には知らない。今だに雲に正式なお別れを告げたことがないのだから。またねであったりばいばいといった挨拶などしたことがないからだ。音が聞こえる。私は空を見た。空にヘリコプターの姿はなかった。
音がする。どなたかが私に話しかけた様だった。しかしそれは私の上半身から下半身を伝い垂れ落ちた水の音だった。シャワーを浴びている。コポコポと下水道へと続く旅路へと彼らは発つ。
音がすると人々が歩を止め振り返る。何があったのかと、正気に戻る。それまでは私たちは狂っていたのだ。余韻に浸り切るとまた私たちは狂い始める。

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