prêt-à-porter

私が関わった人間は全て私の作品である

「母体回帰」

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例えば無視みたいなものも一つの立派な意思表示だと思うんですよ。無視という行為には、ちゃんと目の前に対象が存在してこそ成り立つものですから。


私たちは実際的に生きなきゃならない。生きているのだから物質的に、物理的に満たされなきゃならないのよ。それでいいの、人間だから。精神的な、内的な接触だけじゃなくて、何より外的な、物的な、物理的な接触こそが私たちには必要で、要するに大切な人には会い続けなくてはならないのよ。


仲直りのセックスではなくて、ご褒美のセックスでもなくて、互いに完全に対等な関係でセックスしたいと思ってするセックスを誰が咎められるの?
親の前でだってできるわ、それは少しの曇りもなく、「愛」なんだから。


それならセックスだってとんでもなく重い意味を持つと思うのよ。私は私を失ってまでヤりたいと思える人とセックスしたい。


精神的な一致を見せた後のセックスってどんなものだろうか。それこそ子宮にいる時みたいな、なんていうか、もうふわふわで、ふわふわなんだろうね、互いに。

セックスが男だけの母体回帰であってはならない。それは女にとってもそうでなくてはならない。


一点の曇りも許さない。

「人はみんな死んじゃうでしょ? だから、会わなくなった人は死んじゃうのとおんなじなのよ。たとえ思い出の中で生きていてもね、いつの間にか死んじゃってるのよ」
金城一紀/恋愛小説/対話篇



2013.12.02.




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